記念日の食卓に選ばれる理由
大切な日の食事先を探しているなら、薪火 嘉多妻は候補に入れる価値がある。自由が丘で和食のおまかせコースを出す店で、記念日やデートでの利用を想定した落ち着いた造りになっている。カウンター席からは大きな焼き台の薪火が見え、炎の揺れと火の音がそのまま場の空気をつくる。向かい合う相手との会話を邪魔しない、静かな時間が流れる店だ。
席数を絞った造りのため、周囲を気にせず自分たちのペースで食事を進められる。完全予約制をとっているぶん、席に着いてからの時間にゆとりがあり、急かされる感覚がない。自由が丘という土地柄、仕事帰りに立ち寄る人から、記念日のために足を運ぶ人までさまざまだ。
白基調の店内と焼き台の距離感
店内は木の温もりを残した白を基調とした空間で、明るさと落ち着きが同居している。席の中心はカウンターで、一部の席からは薪火の様子を間近に眺められる。料理ができ上がる工程を見ながら待てるため、運ばれてくるまでの間も退屈しない。正直なところ、焼き台の炎を見ているだけで一杯が進んでしまう空気だった。
焼きに使うのは楢や樫といった薪で、素材に薪特有の香りを移しながら火を入れていく。炭火とも違う香ばしさが生まれ、肉や魚の仕上がりに独特の余韻が残る。カウンターに座れば、その火入れの様子をすぐそばで見ながら料理を待てる。
コースと酒で組み立てる一夜
供されるのは店主おまかせのコース料理で、鳥取万葉牛や種子島梶屋牛といった和牛を薪で焼いた一皿が核になる。全国の漁師から直送される鮮魚も使われ、肉と魚の両方で薪火の香りを楽しめる。あわせるお酒は日本酒や甲州ワインなど常時15種類以上。山梨県大月市の長谷部酒店の甲州ワインも用意され、コースに寄せた一杯を店主が選んでくれる。
その日の仕入れでコースの中身が変わるため、同じ季節に訪れても出会う料理は一度ごとに違う。旬の素材を取り入れた構成で、通うたびに新しい一皿が待っている。酒も定番から期間限定まで入れ替わるので、料理と合わせる組み合わせの幅も毎回変化する。
来店前におさえたい営業と予約の流れ
場所は東京都目黒区自由が丘1-3-22のTKビル2階で、最寄り駅から歩いて4分ほどと通いやすい。営業時間は17時から23時まで、月曜日が定休にあたる。来店は完全予約制で、食べログの予約ページから席を確保してから向かうのがいい。
会計は現金とクレジットカードに対応している。電子マネーやQRコード決済は対象外のため、カードか現金を用意しておくと当日スムーズだ。好みのワインや日本酒を持ち込みたい場合は、抜栓料を払えば受け付けてもらえる。薪火料理という性質上、服に薪の香りがつくこともあるので、気になる人は上着の扱いを考えておくと安心だ。


