香川仕込みの骨付きもも焼きを吉祥寺で
国産鶏もも肉を秘伝のスパイスに一晩じっくり漬け込み、オーブンで時間をかけて焼き上げる。もも吉 吉祥寺の看板メニューである骨付きもも焼きは、香川の郷土料理をそのまま東京へ持ち込んだ一品です。表面にしっかり焦げ目がつくまで火を通すことで、外はパリッと、中は噛むたびに肉汁がにじむ仕上がりになっています。スパイスの香りと鶏の脂が混ざり合い、最初のひと口から手が止まらなくなる味わいです。
鉄板に残った鶏脂とタレを銀シャリおむすびに絡める食べ方が常連客のあいだで定番になっているらしく、「おむすびだけで何個もいけてしまう」という声が目立ちます。ビールやハイボールとの組み合わせを楽しむ人も多く、スパイシーさのなかに絶妙なまろやかさがあるため酒の肴として優秀です。個人的には、骨ごと豪快にかぶりつく食べ方がこの店の一番の醍醐味だと感じました。
20年超の試行錯誤が生んだ手づくりの一皿
創業から20年以上、メニューの見直しと改良を繰り返してきた蓄積が、もも吉 吉祥寺の料理には詰まっています。骨付鳥だけでなく、季節ごとに入れ替わるおばんざいや一品料理が常時並び、朝採れ野菜を中心に仕入れた食材を使って一品ずつ手作りで仕上げる工程を守り続けています。あっさり系の小鉢からしっかりボリュームのある皿物まで、テーブルに並べたときの振り幅が広いのもこの店の持ち味です。食事目的でもお酒のアテとしても成立する構成なので、来店のたびに頼む料理が変わるという人も少なくありません。
ある常連客は「毎回メニューが微妙に違っていて、同じものを食べたくても次に来たときにはもう無いこともある」と話していました。旬の素材に合わせて内容を差し替えるため、春は山菜系、夏は冷製の小鉢といった具合に季節感がはっきり出ます。老若男女問わず受け入れられる味つけの幅があり、家族連れの夕食利用も珍しくないようです。
生ビールSORACHIと全国の地酒をそろえるカウンター
カウンター17席を含む全31席の店内で、生での提供が珍しいビールSORACHIをタップからそのまま注いでもらえます。もも吉 吉祥寺ではスパイシーな鶏料理との相乗効果を意識してドリンクの品揃えを組んでおり、全国各地の地酒や国内外のワイン、果実酒まで季節に応じて入れ替えが行われています。焼酎のラインアップも厚く、お酒好きが一人でカウンターに座って杯を重ねるのに向いた雰囲気です。飲み放題付きのコースも複数用意されているため、予算を決めて飲みたい場面にも対応しやすい構成になっています。
骨付鳥を一本ずつ味わえる「かぶりつきコース」は、宴会でも二次会でも使い勝手が良いと評判で、最大14名まで入れる宴会席を予約するグループ客が週末には集中します。女子会で利用した人からは「料理をシェアしながらワインも飲めて、コース内容のバランスがちょうどいい」という感想が聞かれました。一人飲みから大人数の集まりまで、シーン別にコースを選び分けられる柔軟さがあります。
吉祥寺駅北口徒歩5分、木のぬくもりに包まれた31席
吉祥寺駅北口から歩いて約5分。木材を多用した内装とやわらかい照明のなかに入ると、肩の力がすっと抜けるような空気が流れています。もも吉 吉祥寺は全31席とコンパクトな規模ながら、一人客が気兼ねなく過ごせるカウンターと、会話を楽しみたいグループ向けのテーブル席をバランスよく配置しています。デートや仕事帰りのちょっとした一杯、大切な人との食事など、用途を選ばず使える懐の深さがこの店にはあります。
帰り際にスタッフから温かいカイロを手渡される、というささやかな演出を体験した来店客が「料理だけじゃなく、こういう気配りがあるからまた来たくなる」とSNSに投稿していたのが印象的でした。武蔵野市吉祥寺という飲食店の選択肢が多いエリアにあって、リピーターがつきやすい理由はこうした細部にも表れています。派手な看板や目立つ外観ではないぶん、知っている人が繰り返し通う店という色合いが強い一軒です。


